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【歯科衛生士の働き方】産業歯科編

2021/06/04

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ご訪問ありがとうございます。

 

~自分を知って相手を知ると楽になる~

歯科業界専門の伝え方コンサルタント もろほしりつこ です。

 

前回のブログでは【歯科衛生士の働き方】として新人研修の様子 コチラ

をお話ししました。

 

今日は、産業歯科活動の新人時代のお話を聞いてください!

 

 

 

企業で働く従業員のお口の健康を守る!~産業歯科活動~

 

 

皆さんは、「産業歯科活動」ってどんなことをするかご存じでしょうか?

 

無事、財団の新入職員としての研修を終えたら、いよいよ本番。

新人歯科衛生士としての研修が待っていました!!

 

 

新人6人は4人が産業歯科グループ、2人が歯科材料グループへと配属されました。

 

 

私が配属された「産業歯科グループ」には7人の先輩がいました。

チーフは学年にして2つ上の先輩です。

2つ上の先輩が6人、1つ上の先輩が1人という若いグループでした。

 

 

産業歯科活動では、すべての使用器具や衛生材料を契約している運送会社に預け、必要な場所に搬入してもらいます。

同じ会社の同じ場所で一週間続けて活動する時もあれば、日ごとに会場が変わる時もあります。

 

 

新人の最初のミッションは「いかに短時間で正確に安全に器材を組み立てられるか」でした。

 

 

体育館によくあるパイプ椅子のようなものに、按頭台やスピットンやライトをポールやネジで固定していきます。

ネジに番号は降ってありましたが、ポールに挿入する順番を間違えようものなら1からやり直しです。

一人が遅ければ、全体の開始時間が遅くなり同僚にはもちろん、お客様である受診者にも迷惑をかけてしまいます。

4人で何度も組み立てては、解体し、また組み立ててを繰り返し練習しました。

 

 

これは、4人とも問題なく習得できました。

単に慣れと体力勝負の作業でした。

 

 

次は、いよいよ歯科衛生士業務です。

 

 

1日の健診定員は、歯科医師1名と歯科衛生士10名の編成だと120名です。

簡易ユニットは8台組み立て、それぞれに1名歯科衛生士が付きます。

 

 

単純計算して、1台のユニットには1日に15名座ることになります。

一人20分で1時間に3名、5時間で終了する計算です。

 

 

朝9時に会場入りして、白衣に着替え、器材のsetting、消毒や衛生材料などの準備をし、会社の担当者との打ち合わせ、内部のmeetingまでを1時間で終わらせて、10時スタート。

お昼休憩をはさんで16時まで。

1日で終了の会場では、撤収作業がそのあとにあります。

 

 

新人だからと言って一人20分のペースでできなければ、先輩に負担がかかります。

そして就業時間中に時間を作って受診してくださっている従業員の方にもご迷惑をおかけしてしまうことになります。

 

 

この20分以内で一人の受診者を終わらせなければいけないというミッションは、かなりのハードなノルマでした。

 

 

健診内容

・問診 (問診表に記入していただいた内容を口答でも確認していく)

・口腔内診査

   ①歯の状態:DMF

   ②歯肉の状態:CPITN

   ③粘膜の状態:視診

  ①②③をDHがチェックし、歯科医師に確認してもらう

・口腔内状態の説明

   う蝕の状態

   不良補綴物の状態

   歯周病の状態

   歯石の付着程度の説明 などなど

・プラーク染めだし 

   勤務中の方々なので染出し剤が口唇などに残らないように J(ヨード)で染出し

・ブラッシング指導

   歯ブラシのあて方、動かし方

   補助的清掃用具の使い方

・スケーリング

   座位の為、DHは立位で、上下顎の3-3を中心に歯石除去

・ポリッシング

   スケーリングした部位のみ

・マウスウォッシュで洗口

・まとめの注意事項

   要治療の歯や歯周病がある者へは治療勧告、セルフケアだけでは心配な方へは受診を

   提案するなどその方に合ったクロージング

 

 

 

こんな感じです!!

 

今思い出しながら書いていてクラクラしてきました。

これを20分以内でやるのです。

 

 

そして、順番に水分補給の休憩も入れながらですが、おおよそ1日に12~13人を担当します。

 

 

ずっと立ちっぱなしで体力勝負な感もありますが、受診者は全員初めてお会いする方です。

精神的にも肉体的にも消耗するお仕事です。

 

 

そんな中、私にとって癒しの時間もありました。

それは「消毒係」です。

 

 

4台のユニットごとに1名のDHが「消毒係」として付きます。

受診者のコップにお水を足したり、何か必要なものを渡したり、誘導したり、会場の給湯室にお水を汲みに行ったり...

4台のユニットについたDHがスムーズに活動できるようにサポートする係です。

 

 

「中央薬台」のりっこの得意分野です!!

 

 

「消毒係」の最大のミッションは、その名の通り「消毒」です。

産業歯科活動(当時)では、「高熱蒸気滅菌機(オートクレーブ)」を持ち運び設置することはできないので、使用後の器具は各DHがアルコール綿で清拭したのち「グルタラール液」に浸けていきます。

 

グルタラール製剤(化学的滅菌・殺菌消毒剤)

グルタラール(別名グルタルアルデヒド)を主成分とする化学的滅菌・殺菌消毒剤で、各種グラム陽性・陰性菌、結核菌、真菌はもちろん、有芽胞細菌にも強い殺菌力を示し、さらに各種ウイルスを不活性化させるため、HBV・HCVをはじめ院内感染の原因となるあらゆる病原性微生物の滅菌が可能です。

 

 

その時の受診者の人数にもよりますが、多くの場合、お昼休憩に入る前に午前中に使用した器具をグルタラールに浸けます。

グルタラールに浸けた器具は60分後に引き上げます。この引き上げる作業は、グルタール液を入れた大きなタッパーごと、給湯室に運び行います。

 

 

 

 

液体と器具が数十本入っているので重たく、グルタラールはにおいが強く、吸い込んだり、跳ね返った水滴が眼に入ると危険なので、ゴーグル、マスク、グローブの上にビニール手袋を必ず着用します。

 

 

 

また、水滴が白衣に跳ね返ると黄色く変色してしまうので、防水エプロンをします。

丁寧に水洗し、給湯室でお湯がお借りできるところでは、仕上げに熱湯をかけます。器具が乾きやすくするためです。そして、清潔な布で拭き上げます。

 

 

 

各会場での班編成や当日のチーフ、交渉係は定例のチーム会議であらかじめ発表されます。

また、別の機会にお話しします

当日の午前午後の消毒係は当日の朝礼までには決まっていましたので、消毒係がある日はいつも少しほっとしていました。

 

 

さて、問題のスケーリングです!!

 

 

新人4人の練習台にライオン本社の従業員の方々がなってくださいました。

 

 

口腔内診査やTBI(ブラッシング指導)も難易度は高いのですが、

肉体的な被害を与えてしまうのはスケーリングです。

簡易なユニットで、座位診査で、超音波スケーラーもなく、ひたすら鎌形(シックル)スケーラーで除石していきます。

 

 

固定している指も引き上げる指も痛くなるし、刃部を当てる角度が悪いとなかなか歯石は取れません。

固定指にはあっという間に「たこ」ができました。

 

 

卒業したてのDHがスケーリングが上手なわけがなく、覚悟してお口を提供してくださっていたはずですが、さぞや痛かったことと思います。お口を開けている時間も長く、つらかったことと思います。歯肉もボロボロにしたはずです。

 

 

練習台になってくださった皆様には感謝しかありません。

本当にありがとうございました!!

 

 

先輩がチェックして、「合格!」がもらえると晴れて、現場デビューとなります。

私はこのデビューも同期の中で3番目か4番目、遅い方でした。

 

 

初めての現場デビューは5月の中旬だったように記憶しています。

 

 

デビュー後は、日本全国津々浦々(と言っても、大阪に同じ活動をしているグループがあったので、静岡、長野、新潟で日本列島を二つに分けた、東から北日本方面)を回りました。

 

 

 

夏前に二人の先輩が「結婚退職」されました。

当時は、それが当たり前の時代でした。

 

 

2名減り、9名に...もう新人だなんて甘えていられません!

 

 

秋頃には、先輩に迷惑をかけることも少なくなり、一人20分もこなせるようになりました。

歯肉に傷をつけることも少なくなっていたはずです。

 

 

「継続は力なり!」

 

 

このブログを読んでくださっている新人歯科衛生士の皆さん。

大丈夫です!!

毎日続けていれば、数をこなせばスケーリングは上手くなりますよ!

 

 

産業歯科活動は

「一期一会の出会い」で、いかにその方の心に響くワンポイントアドバイスができるかが肝のお仕事です!!

 

 

 

 

 

最初の職場が与える影響

 

最初に勤める職場が与えてくれる影響はとても大きいです

私はDH人生における大きな学びを(財)ライオン歯科衛生研究所で得ました。

 

 

当時(財)ライオン歯科衛生研究所は、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5か所に事業所があり、年に一度全国の歯科衛生士が集まって受ける研修がありました。

 

 

1年中のほとんどを自分の職場以外で過ごしている(「外勤」と呼ばれていました)ことについて、内勤(自分のデスクがある職場での勤務を指します)が少ないと不満を漏らした先輩に対して、当時大阪にいた大先輩がこう諭してくださいました。

 

 

 

「皆さんは、出てこそ華です」

 

 

私たちの背中にはライオンの看板がついており、それを背負って全国を回って、お一人お一人にお口の健康について伝えていくことが大事なんだ。

職場の外に出て行ってこそ、普及活動をしているときこそ我々の存在意義があるのだという内容です。

 

 

この一言を胸に、私はお口の健康を世の中の全ての方に普及啓発できるよう頑張ってきました。

 

 

そして、その後様々な歯科衛生士の業務を経験してきた中で、やっぱり私は普及啓発のお仕事が一番好きなのです。

 

 

最初の職場で叩き込まれた精神は、その後も消えることはなく今でも私のライフワークとなっています。

 

 

SNSが発達し、youtubeなどの動画配信が誰でも手軽にできるようになった今では、全国へ出向いていかなくても情報発信ができる便利な時代になりました。

 

 

このブログも「出てこそ華」です。

時代に合った形で情報発信をしていきます。

 

 

そして、お口の健康の普及と合わせて「性格統計学」について情報発信をしていきます。

 

 

願いは一つ

「世界中の全ての人のお口の健康を守りたい!」

 

 

 

                                             

 

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

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